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国税庁がこのたびまとめた「平成24事務年度・所得税及び消費税調査等の状況」によると、23年度税制改正で税務調査手続の明確化等を内容とする国税通則法等の改正が行われたことが大きく影響し、実地調査件数が前年と比べて3割も減少していることが明らかとなった。
同事務年度(24年7月〜25年6月)に実施した実地調査件数は、高額・悪質な不正計算が見込まれる者を対象に深度ある調査を行う「特別調査」及び「一般調査」が4万6,418件、資料情報等を通じて申告漏れ所得等の把握を実地に臨場して短期間で行う「着眼調査」が2万3,556件の合わせて6万9,974件(前年9万8,687件)で前年比で3割も減少となった。
調査件数が大幅に減った理由は、国税通則法の改正に伴い、調査担当職員の調査手続き等に関する研修の実施や、事前通知から処分に対する理由附記等に至る調査開始から終了までの事務手続きを確認しながら調査を行っていることから、調査にかかる延べ日数が減少している一方で1件当たりの調査日数が増加しているため。
国税当局は、悪質な課税逃れ等への調査を強化しつつ、控除適用誤り等を是正する「簡易な接触」や文書の送付など実地調査以外の多様な手法を活用して、納税者の自発的な適正申告を促す取組みを充実させるなど、実地調査件数の減少をカバーする施策を打ち出している。
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