国税庁はこのほど、非血縁者間末梢血管細胞移植のあっせんに係る(財)骨髄移植推進財団に支払われる患者負担金が医療費控除の対象に当たることを文書回答で明らかにした。
白血病等の患者に有効な治療法である移植医療には、「骨髄移植」とドナーに白血球を増やす薬を注射後に成分献血と同様の方法で血液中に流れ出した造血幹細胞をドナーから採取してこれを患者に移植する「末梢血管細胞移植(PBSCT)」の2つがあり、非血縁者以外から移植治療を受けるためには、数百万円ともなる移植手術費用のほか、骨髄提供者(ドナー)のあっせん機関である(財)骨髄移植推進財団の関与を受けることが不可欠で、その際、約20万円程度の「患者負担金」を支払うことになる。
このうち、骨髄移植の患者負担金については、すでに医療費控除の適用になることが明らかにされていたが、昨年、厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会において、骨髄バンク事業の一環として非血縁者間における末梢血幹細胞移植の導入が了承されたことに伴い、昨年10月より末梢血幹細胞移植のあっせんが開始されたことから、今回、厚生労働省が同移植における患者負担金も医療費控除の対象となることの確認のために照会を行った。
これに対して国税庁は、@非血縁者間の移植を実施するためには財団が行うあっせん業務が必要不可欠であること、A財団への患者登録は、医師が患者の治療に必要不可欠であると認めた上で、医師を通じて行われるものであることなどから、骨髄移植と同様に患者負担金は医療費控除として取り扱って差し支えないと回答した。
これにより、現在申告期間中の平成22年分所得税の確定申告から適用できる。
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